Ko-Ya-Shi

日常に潤いを与えるライフスタイルブログ

神出鬼没なアイツ(3)ーゴキブリとの死闘に勝利

意を決して、勢いよく下駄箱の扉を開けた。開けた瞬間に飛び出してきて、すぐに踏みつけて一件落着。そんなイメージが湧くも、現実は厳しい。やはりヤツの姿は見えない。靴で埋められた死角だらけのどこに身を潜めているのだろう。

 

頼りないがジェットスプレーを下駄箱の最下段に全体的に噴射してみた。特に何か動いた様子はない。3段ある下駄箱の靴を一つ一つ開けてチェックしていくのも骨が折れる。動かしたところで動いてしまったら、いたちごっこもいいところだ。

 

全ての靴を下駄箱から出したところで、靴だらけの玄関に移動してしまったら、同じことだ。あれこれと動かしているうちに見失ってしまうことだけは避けたい。

 

そこで、侵入したエリアに近い最下部の靴を一足動かしてみた。そっとベロア素材のブーツを引き抜くと、そこにひっそりと隠れていたではないか。しかし、どのようにおびき出すかが難しい。

 

 

ふと下駄箱の扉の取っ手を見ると、木製の靴べらがぶら下がっているのを発見した。うまく的中すれば、ヤツを仕留めるのは不可能ではない気がする。

 

靴べらを手にし、狙いを定める。勢いよく下駄箱の中に突き刺すが、わずかに外れる。これで逃げられたかと思ったが、ヤツの動きが鈍いように見えた。どうやら、ジェットスプレーで動きが弱くなったようだ。

 

ここぞとばかりに靴べらを下駄箱の中に向けて突き刺すと、ついにヤツに体にヒットした。動きが止まりかけたところで、一気にカーブした靴べらの先端で体ごとかき出した。度重なる攻撃を受けてもヤツの生命力は衰えることを知らない。羽と胴体が分離していてもなお、動き続けている。

 

グロテスクな状態を視界に収めているだけでも不快な気持ちになるが、完全に仕留める必要があるため、最後は殿下の宝刀、スリッパで完全に絶命へと誘った。30分ほどの戦いだったが、1匹いればなんとやらという。今後も第2、第3の刺客が来ないとは限らない。

 

さて、次なる刺客を撃退するための対策を考えるとしよう。次はあなたのところに黒いアイツはやってくるかもしれない。

 

 (D)